お役立ち記事

社内申請をExcelで管理する方法|申請台帳の作り方と運用の限界

社内の申請業務を、Excelで管理している会社は少なくありません。有給休暇、経費精算、備品購入、出張、稟議などの申請書をExcelで作成し、メールに添付して上司へ送る方法であれば、新しいシステムを導入せずに始められます。

一方で、申請件数や従業員数が増えてくると、誰の承認待ちか分からない、最新の申請書がどれか判断できない、過去の申請を探すのに時間がかかる、といった問題が起こりやすくなります。

この記事では、社内申請をExcelで管理する方法や申請台帳に必要な項目、Excel運用のメリットと限界について解説します。

社内申請をExcelで管理する3つの方法

Excelを使った社内申請の管理方法は、大きく3つに分けられます。

1.申請書をExcelで作成してメールで送る

申請者がExcelの申請書に必要事項を入力し、上司や担当部署へメールで送る方法です。特別な準備が必要なく、普段からExcelとメールを使っている会社であればすぐに始められます。

ただし、承認者が内容を確認した後の処理方法を決めておかなければなりません。担当者ごとに保存場所やファイル名が違うと、後から申請書を探しにくくなるため、運用ルールの統一が必要です。

  1. 申請者が申請書を作成する
  2. 上司へメールで送る
  3. 上司が承認済みと記載する
  4. 管理部門へ転送する
  5. 管理部門が共有フォルダへ保存する

2.共有フォルダで申請書を管理する

社内サーバーやクラウドストレージに申請書用のフォルダを作り、申請者や承認者がファイルを更新する方法です。

承認状況に応じてファイルを移動すれば、ある程度は進捗を把握できます。ただし、ファイルを移動し忘れたり、同じ申請書を複数人が保存したりすると、どのファイルが正しいのか分からなくなることがあります。

  • 申請中
  • 承認済み
  • 差し戻し
  • 却下
  • 年度別
  • 申請種類別

3.Excelで申請台帳を作成する

申請書とは別に、すべての申請を一覧にした申請台帳を作る方法です。申請台帳には、申請日や申請者、申請内容、承認状況などを記録します。

申請書だけを個別に保存するよりも、現在の状況を把握しやすくなります。少人数の会社や申請件数が少ない会社であれば、申請台帳を適切に更新することで、一定の管理は可能です。

Excelの申請台帳に必要な項目

申請台帳を作る場合は、最低限、次の項目を用意します。

申請台帳に入れておきたい基本項目

項目内容
申請番号申請を識別する番号
申請日申請を提出した日
申請者申請を行った従業員
所属部署申請者の部署
申請種類経費、備品購入、稟議など
申請内容申請の概要
申請金額経費や購入申請の金額
承認者現在確認している担当者
ステータス申請中、承認済み、差し戻しなど
承認日最終承認された日
備考差し戻し理由や補足事項
ファイル保存先申請書を保存した場所

申請件数が増えてきたら、フィルター機能を使って、部署別、申請種類別、ステータス別に確認できるようにすると便利です。

申請番号については、次のように一定のルールを決めておくと管理しやすくなります。年度、申請種類、連番を組み合わせておけば、申請書と台帳を紐づけやすくなります。

2026-KEIHI-001
2026-BIHIN-001
2026-RINGI-001

Excelで社内申請を管理するメリット

Excelによる申請管理には、主に4つのメリットがあります。

導入費用を抑えやすい

すでにExcelを利用している会社であれば、新たなシステム利用料をかけずに申請書や台帳を作成できます。申請件数が少ない段階では、費用を抑えて始められる方法です。

従業員が操作に慣れている

日常業務でExcelを使用している会社であれば、新しい操作方法を覚える必要がほとんどありません。導入時の説明や研修にかかる負担も抑えられます。

申請項目を自由に変更できる

会社独自の項目を追加したり、申請書のレイアウトを変更したりしやすい点もメリットです。備品購入申請であれば商品名や数量、購入理由を追加するなど、用途に合わせて柔軟に調整できます。

小規模な運用ならすぐに始められる

承認者が1人で申請件数も少ない場合は、複雑な仕組みがなくても運用できます。まずは申請書の形式を統一したいという段階では、Excelが適していることもあります。

Excelによる社内申請で起こりやすい7つの問題

Excelは手軽に始められる一方で、申請件数や利用者が増えるほど管理が難しくなります。

1.誰の承認待ちか分からない

メールで申請書を送る運用では、現在誰が確認しているのかを一覧で把握できません。

申請者はメールを探したり、承認者に直接確認したりする必要があります。承認者がメールを見落としている場合は、申請が長期間止まることもあります。

2.最新の申請書が分からなくなる

差し戻しや修正が発生すると、同じ申請書のファイルが増えていきます。

このような状態になると、どのファイルを確認すればよいのか分かりません。誤ったファイルを承認してしまう原因にもなります。

備品購入申請.xlsx
備品購入申請_修正版.xlsx
備品購入申請_修正版2.xlsx
備品購入申請_最終.xlsx

3.申請台帳の更新が担当者任せになる

申請書と申請台帳を別々に管理する場合、申請状況が変わるたびに台帳を手作業で更新しなければなりません。

承認済みになっているのに、台帳では申請中のままになっているなど、実際の状況と記録が一致しないことがあります。

4.メールの見落としが発生する

承認依頼をメールで送る場合、他のメールに埋もれてしまうことがあります。

特に、外出や会議が多い管理者へ申請が集中すると、承認が遅れやすくなります。申請者が承認状況を確認するには、催促のメールや連絡が必要です。

5.過去の申請を探すのに時間がかかる

過去の申請書がメール、個人のパソコン、共有フォルダなどに分散していると、必要な書類をすぐに見つけられません。

ファイル名や保存場所が統一されていない場合は、さらに検索が難しくなります。監査や社内確認の際に、過去の承認内容を整理する作業が発生します。

6.複数拠点や外出先から処理しにくい

会社の共有フォルダに申請書を保存している場合、社外からアクセスできないことがあります。

営業所、店舗、工場、現場など複数の拠点がある会社では、本社へ申請書を送るだけでも手間がかかります。スマートフォンでExcelファイルを開いて確認することもできますが、入力や承認作業には向かない場合があります。

7.担当者が退職すると運用が分からなくなる

Excelの申請台帳やフォルダ管理が特定の担当者に依存していると、異動や退職の際に引き継ぎが難しくなります。

申請書の保存ルール、ファイル名、更新方法などが明文化されていなければ、担当者が変わるたびに管理方法も変わってしまいます。

Excelによる申請管理を続けられる会社

Excel管理がすべての会社に向いていないわけではありません。次のような会社であれば、Excelでも運用しやすいでしょう。

  • 申請件数が少ない
  • 従業員数が少ない
  • 承認者がほぼ固定されている
  • 拠点が1か所だけ
  • 申請の種類が少ない
  • 管理担当者が決まっている
  • 差し戻しや再申請がほとんどない

例えば、月に数件しか申請がなく、すべて同じ上司が承認する会社であれば、システムを導入する必要性は高くありません。大切なのは、Excelを使っていることではなく、現在の申請件数や管理負担に合っているかどうかです。

申請管理をシステム化した方がよいサイン

次のような状況が増えてきたら、ワークフローシステムや社内申請システムへの切り替えを検討する時期です。

申請件数が増えてきた

申請件数が増えると、台帳の入力、ファイル保存、承認依頼、催促などの作業も増えます。管理担当者がExcelを更新すること自体が負担になっている場合は、運用方法を見直した方がよいでしょう。

承認が頻繁に止まる

「上司がメールを見ていなかった」「誰に送るか分からなかった」といった理由で申請が止まる場合は、承認経路を仕組み化する必要があります。

複数の拠点から申請が届く

店舗、工場、営業所、現場などから本社へ申請が届く会社では、メールやファイルの管理が複雑になりやすいです。スマートフォンから申請や承認ができる仕組みに変えることで、移動中や外出先でも処理しやすくなります。

過去の申請を探す機会が増えた

経費精算、備品購入、稟議などの過去資料を頻繁に確認する場合は、申請内容や承認履歴を検索できる仕組みが必要です。

承認者が複数いる

一次承認、二次承認、最終承認など、複数の承認者がいる場合は、Excelとメールだけで進捗を管理するのが難しくなります。

情報管理に不安がある

個人のパソコンやメールボックスに申請書が残っている状態では、会社として情報を管理しにくくなります。退職者のパソコンやアカウントに申請データが残る可能性もあります。

Excelとワークフローシステムの違い

Excel管理とワークフローシステムの主な違いは次のとおりです。

項目Excel管理ワークフローシステム
導入すぐに始めやすい初期設定が必要
申請書自由に作成できるフォームとして登録
承認依頼メールなどで手動連絡自動通知
承認状況台帳を手動更新画面上で確認
差し戻しファイルを修正して再送システム上で処理
履歴ファイルやメールを検索申請ごとに保存
スマホ操作入力しにくい場合があるスマホに対応
複数人での管理更新競合が起きやすい一元管理
費用既存環境なら抑えやすい月額料金が必要

Excelは申請書を作ることには向いています。一方で、申請後の承認、通知、進捗確認、履歴管理まで行おうとすると、手作業が増えていきます。

申請書の作成だけでなく、申請業務全体を効率化したい場合は、ワークフローシステムの方が管理しやすくなります。

中小企業が社内申請システムを選ぶポイント

社内申請システムを選ぶ際は、機能の多さだけで判断しないことが大切です。

必要な申請書を作成できるか

有給休暇、経費精算、備品購入、稟議など、自社で使用している申請書を作成できるか確認します。高機能なシステムでも、自社の申請内容に合わなければ運用しにくくなります。

従業員が使いやすいか

申請システムは、一部の管理者だけでなく、多くの従業員が使用します。操作が複雑だと、申請方法に関する問い合わせが増えるため、入力画面や承認画面の分かりやすさが重要です。

スマートフォンから利用できるか

営業担当者、現場作業員、店舗スタッフなど、パソコンを常に使わない従業員がいる場合は、スマートフォン対応を確認します。

料金体系が分かりやすいか

1ユーザーごとに料金がかかるシステムでは、従業員数が増えるほど月額料金も上がります。現在の人数だけでなく、今後の採用や拠点拡大も考えて比較する必要があります。

承認履歴が残るか

誰が、いつ、どのような判断をしたか確認できることも重要です。差し戻しや否認があった場合に、理由や経緯を確認できるシステムを選びます。

導入や管理が難しくないか

情システム担当者がいない中小企業では、初期設定や日常管理に専門知識が必要なシステムは負担になります。自社で無理なく設定・運用できるかを確認しましょう。

Excelから社内申請システムへ移行する方法

Excelからシステムへ移行する場合、すべての申請を一度に切り替える必要はありません。次の順番で進めると、現場の負担を抑えられます。

1.現在使用している申請書を整理する

まずは、社内で使用している申請書を一覧にします。

ほとんど使われていない申請書や、内容が重複しているものがあれば、この段階で整理します。

  • 有給休暇申請
  • 欠勤・遅刻・早退届
  • 経費精算
  • 備品購入申請
  • 名刺作成申請
  • 稟議書
  • 出張申請
  • 残業申請

2.承認経路を確認する

申請ごとに、誰が承認しているか確認します。担当者によって承認経路が異なっている場合は、システム化する前にルールを統一します。

3.利用頻度の高い申請から移行する

最初からすべてを切り替えると、設定や説明の負担が大きくなります。有給休暇や経費精算など、利用頻度が高く内容が分かりやすい申請から始めるのがおすすめです。

4.一部の部署で試す

最初は管理部門や特定の部署だけで試し、入力項目や承認経路に問題がないか確認します。実際に利用した従業員から意見を集め、必要に応じて修正します。

5.Excelとの二重管理を長期間続けない

移行期間中にExcelとシステムの両方を使用することはありますが、二重管理を長期間続けると、かえって作業が増えてしまいます。運用が安定したら、どちらを正式な記録とするのか明確にします。

スマ楽申請なら申請から承認まで一元管理

スマ楽申請は、中小企業向けの社内申請・承認クラウドです。有給休暇、経費精算、備品購入、稟議などの社内申請を、ひとつのシステムで管理できます。

申請者はパソコンやスマートフォンから申請し、承認者は内容を確認して、承認、差し戻し、否認などの操作を行えます。申請状況や履歴も画面上で確認できるため、Excelの申請台帳を手作業で更新する必要はありません。

料金は1社あたり月額5,500円で、最大120ユーザーまで利用できます。ユーザー数によって料金が増えないため、30人から120人規模の会社でも導入しやすい料金体系です。

まとめ

Excelによる社内申請は、費用を抑えてすぐに始められる方法です。申請件数が少なく、承認者や管理担当者が固定されている会社であれば、Excelでも十分に運用できる場合があります。

一方で、申請件数や利用者、拠点が増えてくると、承認状況の確認、ファイル管理、メールでの催促、履歴検索などの負担が大きくなります。次のような状況が増えてきたら、社内申請システムへの切り替えを検討してみましょう。

  • 誰の承認待ちか分からない
  • 申請書の最新版を判断できない
  • 承認依頼や催促に時間がかかる
  • 過去の申請を探しにくい
  • スマートフォンから申請、承認したい
  • 複数拠点の申請を本社で管理したい

Excelを使い続けるか、システムへ切り替えるかは、会社の規模だけでなく、現在発生している管理負担を基準に判断することが大切です。

よくある質問

Q. Excelだけで社内申請を管理できますか?

A. 申請件数が少なく、承認者や管理担当者が決まっている会社であれば、Excelでも管理できます。ただし、申請件数や承認者が増えると、進捗確認やファイル管理の負担が大きくなります。

Q. Excelの申請台帳には何を記載すればよいですか?

A. 申請番号、申請日、申請者、所属部署、申請種類、申請内容、承認者、ステータス、承認日、備考などを記載します。申請書の保存先も記録しておくと、後から確認しやすくなります。

Q. Excelで承認フローを作れますか?

A. 申請台帳やメール、共有フォルダを組み合わせれば、簡易的な承認フローは作れます。ただし、承認依頼、進捗確認、差し戻し、履歴保存などは手作業になるため、運用が複雑になりやすいです。

Q. 社内申請システムへ切り替える目安はありますか?

A. 承認の遅れ、申請書の重複、台帳の更新漏れ、過去資料の検索、複数拠点からの申請などに負担を感じ始めた時が、切り替えを検討する目安です。

Q. 情シス担当者がいなくても導入できますか?

A. 初期設定や管理が分かりやすいサービスであれば、専任の情シス担当者がいない会社でも導入できます。自社で使用している申請書や承認経路を事前に整理しておくと、導入を進めやすくなります。